愛の眼鏡は色ガラス

転写される自意識

吊革や手すりにおつかまりください

コミュニケートすること。
恋人のこと。僕の元恋人は大層献身的で、僕の作るものを支えたくて引きこもりから働くようになったんだって。でも、心の不調で働けなくなって、なんだ支えられないじゃないかと僕じゃない誰かのお家に転がり込んで二人で暮らしているんだ。
だから、もし君がふられてしまって一人ぼっちになったら季節の花束を持って向かえに行こう!と言ったら、冬に野草を摘んできてくれたらいいよって言われた。
そういうチグハグな関係性で曖昧な二年間を過ごして、僕は沢山食べる君とか僕と一緒なら薬なんていらないで寝れるんだよって言ってくれる顔とか、凄く料理上手なところが本当に素敵だったんだなと昨日の連絡で思い至ったわけだ。
バイバイ。バイバイしたくない!バイバイしたくない!

今の恋人も、別れ際にその恋人にお手紙のようなものを書いたから、きっと何かが似てるせいで、こんなことになっちゃうのだ。他人が読んでも全くつまらないのわかってるし、どちらのしおりさんも読まないのに、ふわっと私はロマンチックだ!って言葉を聞いて、何だか秋だしロマンチックだ!って僕も言いたくなる日もあるんだよ。